感想特設ページ:町田くんとゾンビーズ


吉高洋平(町田くんの世界/2019)


作品の感想


「おかしい」からではなく、「かわいらしい」から笑う、そんな瞬間が何度も何度もありました。なんでもかんでも面白おかしく取り上げようとしてしまう、それこそ「悪意に満ちた世界」にこの作品が一石を投じてくれることを切に願っています。(めばちこ)

最初観た時、最後の展開があまりにもありえなかったので、最初はシニカルに「こんなやついるかよ、こんなことあるかよ」という意味合いでああいう風にしたんだろうと思っていたが、どうも違うのではないかと最近思うようになった。その答えは「夜空はいつでも〜」にあって、何が起こるかわからないなら、とてつもなくいいことが起きるかもしれない、につながってるのではないかと。そういえば町田くんは慎二に似てるし、関口さんは美香に似てるような。(あいりす)






望月悟(ウィーアーリトルゾンビーズ/2019)


選んだ理由

基本その役を演じている池松壮亮がすきなのですきなキャラがいなかったのだけれど、望月は同じ職業だったので感情移入というか愛らしくなった。(mrrn/1位)

作品の感想

この作品を見て生まれた感情を言葉にできない。そんな作品に出会えて嬉しく思う。池松壮亮はそんな気持ちにさせる作品に出会わせてくれる。(mrrn/1位)

とにかく自分にはあまりにも刺さりすぎて、なんと表現していいのかわからない。見る前はウェスアンダーソンや、ヨルゴスランティモスみたいなドライで醒めたアート系を目指した作品なんだろうくらいに思っていた。もちろん、音楽やアートに精通してたら、もっと違う見方ができるのかもしれないけど、そんなことはどうでもよくて、とにかく何もかもが乾いた砂にしみこむ水がごとく自分にはまった。自分は生来いじめられっこ気質で、学校でも職場でもイジメられ、常にお先が真っ暗な人生だったけど、そんな自分を慰めてくれたのが、絶望を滑稽なものとして受け止めるゴーゴリや、カフカや、ヴォネガットや、深沢七郎だった。ただそれらは現代日本を生きているとなかなか自分とフィットしないところもある。リトルゾンビーズたちの一言一句が、今現在の絶望を描いていると同時に客観的にも主観的にも滑稽そのものであり、すなわちそれは生きていく為の手段なのだと思う。ただしどんなに滑稽のクッションをかましても、ヒカリの絶望、イシの哀しみ、タケムラの怒り、イクコの闇はそれよりさらに深いのである。ゴミにまみれ、大人たちの欲に汚され、それでも無表情バリアで歩き続けるしかない。ラストでへその緒を断ち切って生まれ直してくる場面とかもう涙でみえなかった。そして今はファミマに入るたびに泣きそうになる。消費社会の象徴のような無味乾燥だったあのメロディが、みんなが一瞬で共有できる、ものすごく哀しくて、ものすごく美しいメロディになった。(あいりす)

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